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「上手くいっていない」ことを誰にも相談できない・・・・・自己啓発本には載っていない現場視点の「孤独な社長の裏マニュアル」です。

有限会社アズモード   代表取締役 宮脇 睦

【第79回】決済手段として仮想通貨は使えるのか

2018年02月26日|トラックバック(0)

POINT

『ビックカメラも利用を始めた』
『通貨というよりライダーカード』
『国を超えるメリット』
『デメリットは遅さ』

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■ビックカメラも利用を始めた
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 仮想通貨交換所「コインチェック社」で取り扱っていた仮想通貨「NEM(ネム)」が、日本円にして580億円も盗まれました。管理体制の甘さをつかれたのです。このニュースを受けて昨年12月に史上最高値の140万円を突破していた代表的な仮想通貨「ビットコイン」も大暴落。ところが騒動を脇目に、テレビではその他の仮想通貨交換所は、有名タレントを起用したCMを大量投下しており、あの家電量販店の雄「ビックカメラ」は、昨年12月より「ネット通販」の決済にビットコインを採用しました。

 騒動は一時的で、仮想通貨は今後の主流になる、と断言する著名人も少なくありません。ネット通販で決済手段の多様化が、お客のメリットになることは言うまでもなく、すなわち支持率・利用率の向上に寄与します。それでは「仮想通貨」もそのひとつに加えることにメリットがあるかないか。

 今回は仮想通貨の「いま」を紹介します。


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■通貨というよりライダーカード
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 そもそも論で「仮想通貨」という呼び名への異論があります。なぜなら経済学では、通貨には「価値の尺度」「価値の保存」「交換の手段」の機能があると考えるのですが、これを満たしていないというのです。それぞれをザックリと説明すると、以下のようになります。

「価値の尺度」・・・リンゴとバナナ、どっちがお得かの目安になる
「価値の保存」・・・ミカンは時間が経てば腐るが通貨はそのまま
「交換の手段」・・・物々交換以外(以上)の取引ができる

 まず大前提の「尺度」の機能が、いまの仮想通貨にはありません。執筆時の2月21日のビットコインは120万円を回復していましたが、2週間ほど遡った2月6日には65万円にまで下落しています。つまり、尺度となるべき「通貨」そのものの価値が乱高下しているので、その役割を果たしていないのです。

 こうした現実から、金や株式と同じ「仮想資産」と呼ぶべきだと主張する有識者は少なくありません。「金」に価値はありますが、決済手段としては不便で不向きです。

 ちなみに私は仮想通貨について問われると「仮面ライダーカード」と答えています。好事家の間では価値があるということです。馬鹿にしているのではありません。昭和の子供のオモチャに過ぎなかった「仮面ライダーカード」ですが、その「アルバム」はいま、ネットオークションで40万円の値がつくこともある「資産」だからです。


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■国を超えるメリット
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 本稿では「仮想通貨」のまま続けますが、世界的に注目を集めるきっかけとなったのは「キプロスショック」です。地中海に浮かぶキプロスは、EUから財政支援を受ける代償に、国内の全預金への約1割もの課税に同意します。銀行にお金を預けていたら、それだけで目減りするということにキプロスの国民は怒って、預金を引き出し、その一部を「ビットコイン」と交換してしまいました。仮想通貨は特定の国家の支配を受けないからです。そしてその構造から、国外への送金も容易く、決済手段としても使えるとして利用が急増しました。

 その後も財政が不安定であったり、先行きが不透明であったりする国の国民が、仮想通貨に参加したことで「新時代の通貨」という評価が一人歩きしました。

 仮想通貨を支える重要な技術のひとつ「ブロックチェーン」とは、すべての取引記録を、ネットワークに接続された複数のコンピュータで保存し、取引のたびにそれぞれが照合するので「偽造」がとても難しいと考えられています。日本人にはピンと来ませんが、世界に「偽札」は多く、スキミングなどのカード犯罪もあり、仮想通貨のほうが安全だ、と主張する声もあります。


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■デメリットは遅さ
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 しかし、そのブロックチェーンが致命的な足枷になっています。利用者と取引回数の増加により、この確認作業に4時間ほどかかるという報告があります。つまり、正午にはじめた決済の手続きが完了するのは夕方の4時ということです。その間も価格は乱高下します。さらに先の照合作業には「報酬」が必要で、需要に価格は連動するのが世の習い。取引量の増大が手数料を引き上げ、26ドル(1ドル107円=2782円)に達したこともあります。どちらの問題も、利用者が増えれば増えるほど重くのし掛かってきます。

 すでに導入しているビックカメラは、幾つかの「条件」をつけることで実現していますが「ネット通販」の決済手段として4時間のタイムラグに、数千円の手数料は致命的でしょう。

 なにより、受け取った仮想通貨が、後に「2倍」になればウハウハですが、「半分」になれば商売はあがったり。投機的資産としては、その値幅は魅力的でも、ネット通販の決済手段に採用するにはリスキーです。

 さらに、詳細は割愛しますが、その仕組みから無駄な電気代が多く発生してしまい、エコロジーの観点からの疑問の声も大きくなってきています。


◆社長のための裏マニュアル
現時点の仮想通貨は決済に不向きな「仮想資産」


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