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「上手くいっていない」ことを誰にも相談できない・・・・・自己啓発本には載っていない現場視点の「孤独な社長の裏マニュアル」です。

有限会社アズモード   代表取締役 宮脇 睦

【第83回】ほぼ3兆円を売り上げたイベントの真相

2018年10月22日|トラックバック(0)

POINT

『うるさい少数派』
『消費行動の真実』
『ほぼ3兆円を売り上げたイベント』
『これからのイベント』

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■うるさい少数派
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 国内でもすっかり定着した感のある「ハロウィン」。古代ケルト人の祭りがはじまりで、収穫を祝いつつ、その日を区切りとして新しい年度を迎える。いわば「年末年始」だったものが、米国に渡り「トリックオアトリート」と、子どもが近所を周り、お菓子を脅迫して恐喝する・・・もとい、おねだりするイベントになりました。それが日本にやってきて、いまは「コスプレ祭り」となりました。

 この「ハロウィン」。知名度のわりに温度差の激しいイベントで、ツイッターには「オレにはカンケーネー」というツイートが乱れ飛びます。また、「コスプレ」は、唐突で奇抜な扮装によって、街中でも目につきますが、ノイジーマイノリティーのようなもので、冷静になって世界を見渡せば、仮装をしているのは少数派。邪魔もしないし、反対もしないけど、参加もしないという人が多数です。

 それなのに、よく目にし、耳にします。その理由のすべては分かりませんが、ハロウィンが、いまほど話題になっていなかった20世紀の終わり頃から、広告代理店に勤めていた私は、この季節になると「ハロウィン!」と、大騒ぎしていました。それはとりもなおさず「売る側の都合」です。それを強弁するなら「お客の背中を押す」ためでもあります。


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■消費行動の真実
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 お客は「得」を愛して、「損」を嫌います。すると、買い置きがゼロになったトイレットペーパーのような生活必需品でもなければ、その商品を買うとしても「いま」なのか、「いずれ」なのかと逡巡します。また、もっと、安く、より良い商品があるのではないかという迷いも生じます。この背中をトンと押してあげるのが「イベント」による「いまだけ感」です。

 その「いまだけ感」だけを、切り出したのが「タイムセール」です。この時間にしか「買えない」ので、即座に決断を迫られます。この時間軸を少し長くしたのが「期間限定」です。ただし毎回、「期間限定」と銘打てば、日本人は飽きっぽいというか、目新しいものが好きなので飽きられてしまいます。そこで期間限定に、それぞれの名前を与えることで、「イベント」と名乗ります

 私が20世紀の終わり頃に「ハロウィン」推しになった理由です。そして実に都合が良かったのは、多くの日本人が「ハロウィン」の由来や意味を知らなかったので、しきたりもタブーもなく、一方でカボチャのお化けの「ジャックオーランタン」に代表される、オレンジと黒、それに紫でカラーコーディネートすれば、それらしく見えます。だから実際にはいつもと同じ「特売」だとしても、「ハロウィン」という名前を与えるだけで、「イベント化」ができたのです。いまの大騒ぎも、同じような理由と見ています。

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■ほぼ3兆円を売り上げたイベント
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 ぶっちゃけていえば、イベントの中身はなんでもあり。内容自体は繰り返しでもOK。実際に定期的にイベントを実施している店は、特売、割引き、まとめ売りといった幾つかの企画をローテーションで廻しています。家電や紳士服の量販店が、定期的に「閉店セール」を打つのは、彼らにとっての「イベント」のネタだからです。

 そしてそれぞれに「ハロウィン」のように、新たな名前を与えて、新しい「イベント」であるかのように「演出」します。それがお客の背中をトンと押します。

 ハロウィンが終わってからもイベントは目白押しです。まず、「11月11日」はお菓子の「ポッキーの日」として有名ですが、一昨年あたりから「シングル・デー」を担ぎ出そうと大手広告代理店が動いているようです。

 中国にはじまり、「1」を人に見立てて「ひとりぼっち」とし、カップルや家族、友人からではなく「自分のための贈り物をしよう」という「イベント」です。中国最大手のECサイト「アリババグループ」は昨年(2017年)、過去最高となる1682億人民元(約253億ドル/約2.87兆円)の売り上げを記録しています。結局は「セール」というのが「真相」ながら、新たな名前を与えて「大成功」した「イベント」です。


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■これからのイベント
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 こちらはかなりメジャーになりましたが、11月の第4週木曜日の「感謝祭」が明けた金曜日に始まる「ブラック・フライデー」と、その翌月曜日の「サイバー・マンデー」。こちらは米国生まれのイベントで、年がら年中「特売」のある日本と違い、米国ではこの時にセールが集中します。平たく言えば日本の「年末商戦」で、街に人が溢れ、道路も混雑することから、フィラデルフィアの警察が、仕事が多くなるので「真っ黒な金曜日だ」と嘆いたことから広まったとされます。後に「黒字になる金曜日」と解釈変更され、いまに至ります。

 サイバーマンデーは、ブラックフライデーから始まる週末に、店舗に足を運び品定めする「ショールーミング」をしておき、月曜日に出社したオフィスのパソコンを使って「ネット通販」する人が増えて生まれた「イベント」です。そしてどちらも、いま「輸入」されています。

 さらに「誕生日」をイベント化している事例もあります。例えば「店長誕生祭」「仕入担当聖誕祭」「社長お誕生日記念日」などなど。

 ただの特売でも、名前を付ければ「イベント」になるとは、いささか乱暴な結論ながら、お客がワクワクするような、楽しい気持になるネーミングを考えることは「オモテナシ」のひとつです。


◆社長のための裏マニュアル
イベントがお客の背中を押す

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