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「上手くいっていない」ことを誰にも相談できない・・・・・自己啓発本には載っていない現場視点の「孤独な社長の裏マニュアル」です。

有限会社アズモード   代表取締役 宮脇 睦

【第36回】トラブル対応でなくした1000万円

2012年01月30日|トラックバック(0)

POINT

『沖縄から帰ってみると』
『アップとダウンであっぷあぷ』
『金で済む問題』
『大切だというメッセージ』

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■沖縄から帰ってみると
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広告代理店での会社員時代の終盤、休日出勤の繰り返しで、積み重ねた代休が消化しきれなくなると、沖縄旅行にでかけていました。近場にいれば「緊急招集」で出社しなければなりませんが、沖縄ならそうもいきません。季節外れの沖縄旅行はリーズナブルで、なによりゆったりと流れる沖縄での時間は、秒単位の締め切りに追われる日々から解放される至福の時でした。旅行中も毎日電話連絡は欠かさなかったのですが、日頃の多忙を知る上司や同僚も些末なことは私の耳に入れないようにと気を使ってくれていました。そして帰京後、かるく年間1000万円以上はあった取引がなくなっていました

トラブル処理の失敗から、あるクライアントが取引を停止するといってきていたのです。わたしが飛び込み営業から育てたクライアントで、企画制作部という新事業のテイクオフに大きく貢献してくれていた企業だけに残念でしたが、直属の上司の判断ですし、なによりたった3泊4日の琉球紀行のあいだにこじれにこじれていたので、トラブルを得意とする私でも関係改善は不可能となっていました。

もっとも大切な社長の仕事。それはトラブル対応です。

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■アップとダウンであっぷあぷ
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通販事業を営んでいると様々なトラブルが起こります。商品の破損や色違いなど、運営サイドの過失から、遅配、誤配などの外部業者によるもの、はては客の勘違いによるオーダーミスまでクレームとなることがあります。このとき、現場の担当者の説明に納得されないお客には、真っ先に「社長」がでていくことが迅速な解決に繋がります。大きな組織なら、部長や課長、あるいは通販事業の責任者が主任クラスでもOK。
可能な限り上位の立場に立つものがトラブル対応に当たるというのが小火を大火にしない原則です。

会社員時代の話しに戻ります。トラブルの原因は客の提出したチラシ原稿のミスで、中古のテレビゲームを扱うクライアントが、ゲームソフトの買取価格アップと販売価格ダウンとしなければならないところを、うっかり「販売価格アップ↑↑↑」と指示してしまったことです。間違えたまま印刷されてきたチラシを見て、クライアントは「これぐらい(広告のプロなら)気がつくものだ」と担当者を電話で呼び出したのですが、担当者は指示通りにデザイナーに発注し、客の校了も受けとっておりミスはないと主張し、クレームを電話のモニター機能で聞いていた上司も、電話に替わることなくそれを了承しました。そして私が帰京したときには「損害賠償」にまで話しが広がっていたのです。


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■金で済む問題
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トラブル対応時の重要な心がけです。

金で解決できる問題は大した問題ではない

端的に述べれば、取引とは「お互い様」が原則です。もちろん、ケガや病気などが起こればこの限りではありませんが、一般的なトラブルなら客の払った代金に菓子折代を想定しておけば良いということです。仮に「慰謝料」や「迷惑料」を要求され、その理由が不法なものなら司法の場で結論をもとめれば良いのです。これも「弁護士」というプロに発注するだけなので「金で解決できる」ことのひとつです。相手が金の話しをはじめたら「ラッキー」と思ってもよいぐらいです。

会社には内緒で、クライアントを訪問し話を聞くと、初動の段階で「責任はない」といわれ、誰も責任者がでてこないことに

「軽く見られている」

と感じ、感情をこじらせたというのが事件の真相でした。「謝罪」の有無はともかく、最初の段階で上司が電話口にでるなり、菓子折のひとつも持って訪問していれば取引終了はなかったと確信しています。それが証拠に、非公式な立場ながら「企画制作部門」の責任者として、門前払いの非礼を詫びただけで「終わったこと」と許してくれただけではなく、この数ヶ月後に私が会社を辞め独立すると、仕事を発注してくれたのですから。


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■大切だというメッセージ
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論理的にみれば客が提出した原稿が間違っているのですから、こちらに非はありません。しかし、100万円単位の広告費を使い、いざ売り出しだと届いたチラシに致命的なミスを見つけたとしたら、客の心は「不安」に支配されます。そして広告代理店に電話をかけるもけんもほろろ。自動的に怒りに転じます。事実、同僚は「最初はそんなに怒っていなかった」といいます。繰り返しになりますが、このときに上司が客先に駆けつけていれば、せめて電話口にでていれば・・・独立後の私の仕事がひとつなくなっていたことでしょう。

クレームがトラブルまで発展する理由の大半は「感情のこじれ」です。とくに粗末に扱われていると感じたときに怒りの炎が燃えさかり修復をむずかしくします。これに先手を打つのが「社長の出陣」です。社長の出陣に不快と思う客はいません。無論、部長でも課長でも先輩でもOK。そしてタイミングは先方が「社長を出せ」という前です。BtoBの事例を紹介しましたが、これは個人のお客でも同じことです。肩書き付きの人間が対応にあたることで

「大切にされている」

と客に思わせ「不安」を和らげるのです。余談となりますが、不動産販売業で部下もいないのに「部長」の肩書きをもつ営業マンがいるのも同じ理由です。マイホームなどの高額な取引の担当者が「平」と「部長」なら後者の方が大切にされている=安心感を与えるからです。

その究極が「社長が対応する」ということ。ちなみにクレーマー対策にもなります。社長が電話口にでたあとも、それまで応対した人間(担当者)の悪口を続けるようならこういいます。

「私の教育の至らなさについて今後の営業活動に活かしたいと存じます。ご指摘ありがとうございます。しかし、私の大切な部下を、あなたにそこまで悪し様に言われる筋合いもない。話し合いを希望するなら言葉を選んでいただきたい」

・・・これ、効きます。クレーマーは筋の通った話しが苦手なので。


◆社長のための裏マニュアル
謝罪は社長の仕事

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