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「上手くいっていない」ことを誰にも相談できない・・・・・自己啓発本には載っていない現場視点の「孤独な社長の裏マニュアル」です。

有限会社アズモード   代表取締役 宮脇 睦

【第41回】AKB48に学ぶアンブッシュマーケティング

2012年06月25日|トラックバック(0)

POINT

『西友が教えてくれたこと』
『いまならAKB48』
『オリンピックは恐ろしい』
『公的なもののパロディ』

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■西友が教えてくれたこと
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 アメリカ最大のスーパーマーケットチェーン「ウォルマート」が「西友」を買収し、日本に上陸した際の基本戦略は「エブリデイ・ロープライス」でした。

「毎日安定した安さを提供する、だからチラシなどの広告を行わない。なぜなら、安く売れば客は来る」

 の、結果は惨憺たるものでした。いま、「KY」と掲げ、テレビCMを繰り返し流し、タブロイド型のチラシを配布しているのは、戦略の変更を意味します。日本人は安いだけでは来店せず、日々の買い物にもイベント性を期待する「世界一うるさい消費者」なのです。

 ネット通販事業者にとってのチラシはメルマガやブログ、ツイッターにFacebookといったところでしょうか。最低でも週に一回は発行、更新しなければ客はライバル企業に流れてしまいます。ところが毎週毎週発行するとなると「ネタ」が尽きるのは、街のスーパーマーケットもネット通販でも変わりません。その窮余の策として「安売り」に走ることも少なくありませんが、安売りだけで客が来ないのは西友が証明済みです。赤字覚悟の「大特価」なら客は来ますが、利益は出ず、毎週続けることなど不可能です。そこでの助けが「イベント」です。


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■いまならAKB48
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 身も蓋もない答えを先に述べます。

「イベントとは便乗」

 そして「便乗」を広告業界では「アンブッシュマーケティング」と呼びます。アンブッシュとは英語の「待ち伏せ」のことで、敵がでてくるのを待ち構えて攻撃することで、敵=ライバル企業などのイベントや広告の出方にあわせることからそう呼ばれています。

 ライバルの企画に便乗することに良心が痛むかも知れません。しかし、広告代理店の勤務経験から言えば「便乗」のない企画のほうが珍しいのです。例えばいまイベントで

「選挙」

 といえば「AKB48」を思い浮かべますが、分譲マンションの大手企業「タカラレーベン」は

「CM選挙」

 を開催しています。テレビ東京の朝の経済番組「NEWSモーニングサテライト」のCMに、立候補した女の子たちが日替わりでひとりずつ出演し、自分への投票を呼びかけます。今年の4月から来年の3月までの壮大な企画が、なにをモチーフにしているかは言わずもがなです。しかし、そもそもAKB48の「総選挙」は、日本新党ブーム以降つづく「政権交代ブーム」を引用しており、第1回は2009年の7月に開催され、結果を受けて翌8月には「組閣」なるイベントも開催されています。そしてAKB48の組閣の翌週から民主党による政治が始まりました。


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■オリンピックは恐ろしい
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 そこから自社製品の「神セブン」を決める「選挙」など旬な企画です。ちなみに「神セブン」とは、AKB48の人気が出はじめた当初、不動の人気を誇った上位7名を指した言葉で、八百万も神様がいる我が国とはいえ、神様までデフレになったもの・・・と腐しては便乗企画などできません。ニタニタと笑いながら、貪欲に利用する精神がアンブッシュには必要です。

 取り扱って欲しい商品や、開発して欲しいサービスの選挙というのもありです。お気づきでしょうか。ここにAKB48の仕掛けの巧みさがあります。つまり「アンケート」を「選挙」に「すり替え」ているだけのことなのです。便乗イベントをオリジナリティのあるものに仕立て上げる極意は「すり替え」です。

 いまの時機に「便乗」といえば「オリンピック」です。「やったぜ金メダル」「ナデシコありがとう」などなどロンドン五輪での日本人選手の活躍に「便乗」したくなる気持ちは分かりますが、国内ではJOCが、海外では「IOC」が権利を保有し睨みをきかせております。開催地のロンドンでは250人の警官を動員して、アンブッシュマーケティングを取り締まると言います。

 そしてここからが「裏マニュアル」。一部、法に触れるかも知れないのであくまで一般論。

「悪意のない権利侵害は"ゴメンナサイ"が通り相場」

 あくまで「悪意」がなく、純粋に日本選手を応援しようとした結果、誰かが持っている権利に触れてしまって懲役3年・・・ということはないということです。


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■公的なもののパロディ
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 例えば「がんばれ!ニッポン!」はJOCが商標権を持っており、オフィシャルスポンサーしか使用できないことになっています。しかし「頑張れ日本」は一般用語ですし、応援する熱い気持ちを文中に忍ばせることを制限することは「表現の自由」に抵触します。民法の商標権と、国の主要な法律である憲法のどちらが強いかは自明です。ただ、オフィシャルスポンサーの支払う広告費が、選手の強化に廻されますので、日本人選手を応援する気持ちがあるなら、「過度な」便乗は避けるべきでしょう。これは私見ですが、応援コメントや感謝の特売ぐらいなら見逃して欲しいものです。

 そして便乗=アンブッシュマーケティングが完全に見逃されるのが「公的」なものです。最たるものが「麻生太郎まんじゅう」や「政権交代鳩サブレ」などの政治を揶揄したものです。先に触れたAKB48の「選挙」もそうです。あまり政治色の強いものは消費者に嫌悪感を与えることもありますが、例えばいまもっとも旬なアンブッシュマーケティングはこれでしょう。

「増税の前にやることがある・・・いまこそ消費税還元キャンペーン!」

 これは1998年に消費税が3%から5%へとあがった翌年、消費者の不満を吸収する形で盛り上がったイトーヨーカドーの伝説の便乗企画で、当時すでに青色吐息だったライバル「ダイエー」の息の根を止めるほど効果がありました。本当に消費税が10%となれば、還元するのは困難です。いまだからできる「便乗」です。ちなみにこの原稿は「西友」「AKB48」、そしてオリンピックにイトーヨーカドーに「便乗」させていただいております。便乗を換言するなら「コラボ」。勝手にですが。

◆社長のための裏マニュアル
イベントはアンブッシュが基本


 

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