Home > 通販支援Blog > マーケティング > 流通ジャーナリストの視点で語る! > 【第77回】「しまむら」の一味違うネット通販参入のわけ

マーケティング

流通ジャーナリストの視点で語る!ナビゲータ写真
記事一覧へ

長年流通、特に通販やコンタクトセンターを専門に取材活動を続けてきた実績より、市場動向や「顧客満足」に向けた企業の活動など事例を中心にお伝えしていきます。

JDM News.net   代表  流通ジャーナリスト 塩田信夫

【第77回】「しまむら」の一味違うネット通販参入のわけ

2018年01月24日|トラックバック(0)

POINT

『注目したい「ネットとリアル」の新たな融合モデル』
『全国約1400店舗のしまむらネットワーク網』
『ネットワーク活用と単品管理システムの精度向上』

──────────────────────
■注目したい「ネットとリアル」の新たな融合モデル
──────────────────────

 昨年から急速に話題になっているのが「ネットとリアルの融合」なるキーワードだ。その多くがネット通販と実店舗(リアル)の連携である。ネットで購入するお客に店舗での試着や品定めを勧める、店舗で購入する客にはネット購入の選択肢を提供するなど相互に連携し顧客を取り込むのが一般的な戦略だ。スマホやPCで気軽に購入し、商品の受け取りを店舗やコンビニなどで行うスタイルも認知されつつある。

 昨年9月、日経新聞電子版に低価格、少量多品種販売の衣料品販売の「しまむら」がネット通販に参入という記事が出て話題になった。しまむらもいよいよネット通販に参入かと思いきや、ネット通販の重要性を認識しているものの実際の展開は多少違うようだ。


──────────────────────
■全国約1400店舗のしまむらネットワーク網
──────────────────────

 しまむらの場合、当面はネットで注文した商品を最寄店舗で受け取れるという仕組みだ。さらに店頭での欠品商品を他店舗から取り寄せるいわゆる「客注」への積極的な対応システムである。全国にある約1400店舗のネットワークを生かしたしまむらならではのネットとリアルの融合といえるだろう。

 しまむらの場合、チェーン店としてメーカーから一括仕入れ、完全買取方式だ。だからこそ低粗利率でも利益が出る仕組みだ。店舗ごとに色やサイズ、数量が異なり売れ切れがあっても在庫補充はしない。そのかわり商品の回転率がいい店への店舗間移動する独自のシステムがある。全店舗がオンライン化された単品管理システムで細かな商品の動きが分かるのだ。それをもとに商品の投入や移動をコントロールしている。しかし、そのための業務負担もけして少なくないのも事実だ。業務の効率化という視点からの単品管理システムの向上も今回のネット通販構想へと繋がったのではないかという見方もある。


──────────────────────
■ネットワーク活用と単品管理システムの精度向上
──────────────────────

 各店がネットワーク化された単品管理システムで他店の在庫状況が瞬時に分かり、店舗間移動システムで最寄の店舗まで配送する。全国約1400店舗のネットワーク活用、機会ロスを抑え、商品消化率を高め、配送コストをかけず、同社独自のシステムをさらに精度を高めることによって成り立つ新たなネット活用のモデルといえそうだ。

 今後、お客からの反応や希望を参考に新たな商品企画によるネット戦略を展開するのかその先の具体的な構想ははまだ未知数だ。新たなシステム構築コストや配送コストの問題など課題は多い。いずれにしても「シマラー」といわれる独自のファン層も多い同社の今後の動向に目が離せない。


トラックバック(0)

・このブログ記事を参照しているブログ一覧:

【第77回】「しまむら」の一味違うネット通販参入のわけ


・このブログ記事に対するトラックバックURL:

https://www.scroll360.jp/mt/mt-tb.cgi/2380

Home > 通販支援Blog > マーケティング > 流通ジャーナリストの視点で語る! > 【第77回】「しまむら」の一味違うネット通販参入のわけ