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長年流通、特に通販やコンタクトセンターを専門に取材活動を続けてきた実績より、市場動向や「顧客満足」に向けた企業の活動など事例を中心にお伝えしていきます。

JDM News.net   代表  流通ジャーナリスト 塩田信夫

【第84回】多様な世代間でのコミュニケーションスキルを考える

2019年05月27日|トラックバック(0)

POINT

「高齢者就業における問題」
「世代間におけるコミュニケーションのささやかな乖離」
「全員が理解をするには統一したルールの徹底を」
「コミュニケーションは相手の立場を考えること」

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■高齢者就業における問題
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 首相官邸ホームページをのぞいて見ると、「人生100年時代構想会議」の中間報告が紹介されている。報告書によれば、ある海外の研究所では2007年生まれの日本の子供の半数が107歳より長く生きると推計されるそうである。いまさらながらにわが国の平均寿命の長さに驚かされる。

 高齢者雇用の安定化に関する法律では企業に65歳以降の高年齢者の多様な就業機会の確保が今後の重要課題となっている。希望すれば70歳まで働けるよう、雇用機会の確保を企業の努力義務とする具体的な制度つくりが検討されている。

 今は各企業で希望者が65歳まで働けるよう定年廃止、定年延長、契約社員など再雇用のいずれかを選択できる仕組みを義務付けられている。しかし、実際の収入面での不安はある。いったん退職して契約社員で再雇用となっても賃金だけが下がり、仕事内容は変わらないといった不満の声も多く聞かれる。

 実際の現場で中高齢年齢層の直面する収入面以外の問題について少し考えてみたい。最近の新聞報道では労災死傷事故の約4分の1は60歳以上で、その数は年々増えているという。職場環境での安全への気配りはなおいっそうの企業努力が望まれる


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世代間におけるコミュニケーションのささやかな乖離
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 意外に意識されていないのが世代間におけるコミュニケーションのささやかな乖離だ。
些細な事柄でも対処の方法によっては、居心地の悪い職場ともなりかねない。ささやかなと表現したのは、コミュニケーションスキルについての認識は基本変わらないともいえるからである。

ならばどのような乖離が懸念されるのか。世代間の認識のずれが今まで以上に表に現れるかもしれないからだ。そんな場面を先日ある通販物流センターで目にした。例にあげるにはあまりに瑣末なことで恐縮だが、紹介しておく。


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■全員が理解をするには統一したルールの徹底を
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 その現場では就業の際に当人の安全確認の意味もあり、ネームプレートの表裏で確認するルールがある。ある従業員がそれをせず現場に入った。ある社員がそれを見つけ、ネームプレート違反としてその部署のペナルティーとして記録した。そんなささやかなことがのち感情的にもつれてしまった。

 違反とするルール基準は、当人の部署と氏名を実際に確認した上で当人に直接伝えることとなっている。違反として報告した高齢の社員の言い分は注意しようと声をかけたが、イヤホンをしており呼びかけに応じることなく現場へ出て行った、その人間の部署はわかっている」との言い分だった。

ならばその違反者にはルール違反をしたことが伝わっていない、単に思い込みでその部署をルール違反と決め付けることにもなりかねないと、責任者は注意した。

 責任者の指摘はもっともである。しかし、問題は言い方である。間違いを指摘する場合、言ってはいけない言葉がある。「何でそうなるの」「言ったでしょう」「知らなかったら聞いてよ」など。ある意味正論で攻め立てた。この言葉に敏感に反応するのが中高年者層である。結果、切れたのである。

 この場合、ルール違反とするか上長の判断も仰ぐのがまず大事。ルールとするなら事前に運用規則を明確に共用するため言葉だけの申し送りとせず、文書にしておくこと。年代が上になると、勝手な「大人の判断」「経験からの判断」から先走りがちになることもある。それにあえて火をつけることはない。理解の原則は世代が異なっても同じである。


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コミュニケーションは相手の立場になり言葉を選ぶこと
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 同じ現場でもうひとつ。大量の荷物の搬出入に利用される倉庫内の大型人荷エレベータでのこと。ある高年者作業員が機材を搬出作業をしていた。エレベーターから出した機材を通称トラマークと呼んでいる黄色と黒の停止エリア上に機材を置いていたのだ。本人はいっときのことと考えていたのだろうが、あるベテラン社員が声をかけた。

 年上の人間に対する丁寧な言葉で、まず「トラマーク」について事前に説明を受けているかたずねた。年配の従業員は「物を置いてはいけない場所との説明は受けている」と正直に答えた。ベテラン社員は「置いてはいけない場所など、作業場の注意や説明が事前になければ現場(社員)の責任です。それがあったならルールを守ってください。安全が第一ですから」と。声のかけ方、注意を促すことの本質を理解しているか否かで応対が変わってくる。

 コミュニケーションとは理屈や感情だけで言葉にすれば、受けての応対も変わる。どう真意を伝えるかは、相手の立場になり言葉を選ぶことも必要だ。なんとも瑣末な事例で恐縮だが、ささやかなコミュニケーションスキル上達の第一歩と捉えていただければと思う。

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