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長年流通、特に通販やコンタクトセンターを専門に取材活動を続けてきた実績より、市場動向や「顧客満足」に向けた企業の活動など事例を中心にお伝えしていきます。

JDM News.net   代表  流通ジャーナリスト 塩田信夫

【第88回】商品の最良の語り部、最大の説得者は愛用者(購入者)自身

2020年01月29日|トラックバック(0)

POINT

『利益追求は継続商品をどれだけ売るか』
『購入者自身の体験話には説得力がある』
『購買者記録の多様的な活用』
『購入者が導く、企業の方向性』
『会社の主義主張が売上を伸ばす』

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■利益追求は継続商品をどれだけ売るか
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通信販売の有効な販売手法として「愛用者、利用者の声の紹介」という手法がある。
実際に使っている人(愛用者)に率直に商品を語ってもらうと、さらに説得力は強まる。
売り手と買い手の関係よりも、すでに購入しているお客、使っている(商品を)人との関係のほうがはるかに近いからだ。
今でこそ一般的な手法だが、業界で成功している大手通販企業K社の場合を紹介してみよう。

各通販会社が自社の売れ筋をふつう「定番商品」と呼んでいるが、同社では「継続商品」と呼んでいる。そのため新商品の販売は使っている人を集めるためのテスト販売でもあると言い切る。

通販のみならず小売りの利益追求は継続商品をどれだけ売るかにある。
満足して使い続けている購入者に支えられた継続商品がいかに多く、販売されているかにかかっている。

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■購入者自身の体験話には説得力がある
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長く使い込んでいる(商品を)愛用者を紹介―。
そんな(会社の)主義主張を売り上げづくりの営業活動に重ねて伝えていく手法である。

一例を挙げると、同社の人気商品のひとつに10,000円の「枕」がある。
安価ではないが、25年以上にわたって売り続けている同社の代表的ロングセラー商品である。
その間、返品率はわずか3%(同社ホームページより)。

ある顧客が1人で100個近く購入していた。
その購入者はある町の床屋の奥さんだった。

毎日、常連さんの頭を整髪しながら四方山話となる。
身近な世間話から健康の話しなどさまざまだ。
中には肩こりがひどい、首が痛い、合う枕がないといった悩み相談もある。
そこで購入者自身の体験談が出る。店には見本の枕まで用意してあるそうだ。

購入して使ってみて長年の肩こりが消えた、ぐっすり眠れる・・・と、うそ偽りのない体験話には説得力。結果、紹介による購入実績が増えていったとのこと。

こうした体験を持つ顧客を商品ごとに掘り起こし、丁寧に取材し、カタログに登場させている。
町内の一般消費者であったり、老舗旅館の女将であったり、作家や大学教授といった知識人の例もある。

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■購買者記録の多様的な活用
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今日のデータベース大容量時代の特性は、販売した商品の購買者記録の多様的な活用にある。
同社では長期使用支援システムのメンテナンスを、ハガキ通信で実行してしている。

販売した年月から一年後、二年後と定期的にハガキを出している。
内容は「お手入れ」や「消耗品」を中心として商品ごとにさまざまである。

たまに顧客の顔が見えない、顧客のニーズが探れないといった声を聞くことがある。
通販という販売手法の基本を理解されていない経験が浅い担当者の話である。
今日の消費者の心をどう読みとるか。

そのためには、「小売りとしての主義主張を打ち出して、その主義主張に共鳴してくれる消費者を集めていくしかないのではないか」と販売担当者は言い切る。
小売りの主義主張とは同社ならではの言い回しだが、そこに働く人間の主義主張でもある。

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■購入者が導く、企業の方向性
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商品企画に限定された狭い主義主張ではないのだ。カタログ自体が情報誌の体裁であるから毎号、企画やキャンペーンなど同社の主張が存分に発揮された内容となっている。

出して見せることで、当然、離れていく顧客もいる。
逆に面白い、賛同すると定着する顧客も出てくる。

そこで考えた新しい小売り(通販)のかたちが「共同体小売」だった。
志を同じくする顧客を「会員化」して、その人たちだけとつき合っていくカタログがつくれないものだろうかと考えたのだ。

「カタログはメッセージである」
メッセージをどう商品化していったらいいのか。
売り手である企業は、商品企画の基本コンセプトや考え、担当者の顔というべき個性、人間性を顧客の前にさらけ出すべきだ、自分の好き嫌いをはっきり主張すべきだという。
その結果、同社の会員情報誌である有料カタログを面白がって購読してくれる人たちは前年比を上回って増えていった。
そして、増えていく購入者(顧客)が、同社の進むべき方向を間接的に教えてくれることになった。
それが「高価格でもいいから、高品質の商品だけを特化して売る」ことだった。

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■会社の主義主張が売上を伸ばす
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高品質=高耐久性の商品を看板にしていけばいい。ベストセラーよりロングセラー路線。
同社では商品の製造中止後の修理用部品保有期間の長さは選択目安の一つになると考え、積極的に対応している。

売りっぱなしではない。社内の企画開発担当者が選び抜いた耐久性の高い商品を何年にもわたって売り続ける。
その受け皿として、保証期間を過ぎても修理できるセクションを社内に設ける。
顧客には最長で 5 年、手入れ法や保存法を伝え使用中の不満を吸い上げる「メンテナンス通信」を送り続け、買った商品を永く使ってもらう習慣づくりを応援する。

他社では考えられない。これも会社の主義主張なのである。

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